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【ルワンダ大殺戮をわかりやすく解説!】重要指名手配犯(容疑者)をフランスで逮捕

(※一部プロモーションが含まれています)



1994年に東アフリカのルワンダ共和国で起こった大虐殺事件から26年、重要指名手配犯の一人が民兵組織に資金供給した容疑で逮捕されました。
あまりに常軌を逸したおぞましい大事件だったので、よほど人を傷つけたくて苦しめたくて仕方のない精神異常をきたした人物や組織が関係しているのかと思いきや…
日本国内でもSNSデマで起きた、壮絶なトイレットペーパー争奪戦と大筋は変わらず、人の悲しく醜い本性があぶり出されたような事件です。
当時から個人的にとても印象に残っていて、そして大きな衝撃を与えられた事件の一つだったので、今回は
  • 今回の容疑者逮捕について
  • 【ルワンダ大虐殺】について
  • 【ルワンダ大虐殺】関連映画について
を、なるべくわかりやすくお伝えしたいと思います。



目次

【ルワンダ大虐殺】容疑者逮捕

  • 容疑者はルワンダ有数の大富豪、フェリシアン・カブガ(Felicien Kabuga)84歳
  • フランスのパリ郊外に偽名を使い共犯の子息たちと暮らしていた
  • ルワンダ大虐殺の資金担当の容疑
  • 虐殺を実行した悪名高い民兵組織インテラハムウェ(Interahamwe)を創設者
  • 殺人実行を呼びかけた悪名高いミルコリンヌ自由ラジオテレビジョン(Radio-Television Libre des Mille Collines)創設援助者
  • 2020年5月16日にフランス警察によって逮捕
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💡容疑者がフランスで暮らしていたのは、ルワンダが元々フランス語圏だったことも要因の一つなのかな?と思います。

【ルワンダ大虐殺】について

1994年にルワンダ国内で起きた、たった100日間で国民の10〜20%相当の50〜100万人(正確な人数不明)が犠牲になった大量虐殺事件(Rwandan Genocide)です。

事件の前に

ルワンダ共和国とブルンジ共和国などアフリカ大湖沼周辺国は

  • フツ(Hutu)→農耕民族
  • ツチ(Tutsi)→牧畜民族
  • トゥワ(Twa)→狩猟民族

の3民族構成です。

2種類の民族間対立

旧約聖書にまで遡るような、たくさんの民族間対立要因がありますが

  • ベルギー植民地時代にフツとツチ(同一ルーツで境界線は曖昧)の、完全な別民族扱い
  • 経済状況悪化で若者の失業率悪化
  • 人口増加で土地をめぐる対立や食糧難
  • 一般人の低い識字率で、勢い任せな思考傾向
  • ハビャリマナ政権のツチ敵視傾向な政策(RFP侵略を受けたため)
  • ルワンダ主教界の関与
  • 国連や世界各国の消極的な関与姿勢や状況分析の失敗

などが主な対立要因として挙げられます。

事件の引き金

1994年4月6日に

  • ルワンダ第3代大統領(フツ民族のジュベナール・ハビャリマナ氏)
  • 隣国ブルンジ共和国の政治家で大統領(フツ民族のシプリアン・ンタミャリラ氏)

2名が暗殺されたこと

事件のからくり

「ツチさえ排除すれば、ルワンダの全問題は解決するのだ」と言わんばかりの姿勢で

  • 大虐殺について閣議で議論
  • 民兵の組織化(地域ごとに各任務の代表者選出)
  • 武器の大量入手(武装兵の用意)
  • 活字で反ツチのヘイトスピーチ後、ラジオ放送でフツ過激派を煽り続けた
  • カトリック指導者が大虐殺批判せず、多くの聖職者が協力的

政治家だけでなく市長、町長、警察官、メディア各種まで関与するなど、かなり組織的で入念な準備があったと言われています。

事件の内容

フツ系政府と、焚き付けられたフツ過激派によって

  • ツチ
  • フツ穏健派

の老若男女問わずが尊厳を踏みにじられ、信じ難いほど残虐に強姦されたり殺害されたりしました。

💡リーダー的存在からの間違った情報や知識を吹き込まれ、識字率が低く勢い任せな思考傾向の多くの一般国民は、妄信的な洗脳状態(マインドコントロール)にあったのではないでしょうか。

事件の収束

RFP(Rwandan Patriotic Front=ルワンダ愛国戦線)という、東アフリカのウガンダに逃れたツチ系難民が設立したルワンダの旧反政府勢力が、ルワンダ国内を制圧したからです。

事件の記事

国内外問わず多くのメディアで扱われている中で、幾つかピックアップします。

BUSINESS INSIDER JAPAN
父と妹を失った34歳のぼくが、ルワンダ大虐殺を語り続ける意味 1994年、東アフリカのルワンダで起きたジェノサイド(大虐殺)で、80万人を超える人々が殺された。被害者と加害者、当事者たちの話を聞いた。
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【ルワンダ大虐殺】関連映画

多くの書籍があり、実際に読んだこともありますが映像や音声でよりリアルに感じられると思った映画をご紹介します。

⒈ 「ルワンダの涙」

BBC記者が現地取材した実体験ベースの、ルワンダ大虐殺の真実を白人の視点から描いたルワンダのフツ族対ツチ族の抗争に端を発する大虐殺事件を題材にしたシリアスな社会派ドラマです。

監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ監督(「氷の微笑2」なども手がけています)

出演:ジョン・ハート(ルワンダの人々と最後まで運命をともにしようとする神父役)/ヒュー・ダンシー(事件に戸惑う教師役)

言語:英語(字幕)・日本語(吹き替え)

公開:2005年

時間:115分

見どころ:実際に虐殺が行われた公立技術学校が中心のオールロケ撮影された迫力映像で、大虐殺の生存者が映画スタッフとして参加

あらすじ:アフリカのルワンダで、フツ族によるツチ族虐殺事件が発生。公立技術学校を運営する英国カトリック教会のクリストファー神父(ジョン・ハート)とそこで働く青年協力隊の英語教師ジョー・コナー(ヒュー・ダンシー)は、生徒のマリー(クレア=ホープ・アシティ)ら、学校に避難してきたツチ族とともに不穏な状況に直面してしまう……。

⒉ 「ホテルルワンダ」

アカデミー賞3部門ノミネートの実話を基にした、多くの尊い命を守り抜いた高級ホテル支配人を中心に大虐殺事件を描いた、感動的な社会派ドラマです。

監督:テリー・ジョージ監督(「父の祈りを」でアイルランド紛争を描いた脚本家)

出演:ドン・チードル(ホテル支配人のポール役)、ソフィー・オコネド、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス

公開:2004年

時間:122分

あらすじ:1994年にルワンダで勃発した民族間紛争で悲劇的な状況下で、高級ホテル支配人のポールは帰宅途中に街中で避難民たちをホテルにかくまい始める。国連の平和維持軍も世界各国も頼りにならない中、彼は自力で家族や多くの尊い人命を守る決意をする。

おわりに

仲良く過ごしていたお隣さん同士だったのに、洗脳のような政治的背景によって残虐な殺し合いに発展した、失ったものは多く得たものは何もないとても恐ろしい事件です。
容疑者が全員逮捕されて、いつか【ルワンダ大虐殺】の全容解明がされても、あまりに大きな犠牲があった現実は決して変わることも戻ることもありません…。
ダイレクトな情報がいくらでも得られるインターネット時代の日本でさえ、危うく誰かの尊厳を奪いかねないトイレットペーパー争奪戦が巻き起こりました。
本来であれば在庫は十分で、奪い合う必要なんて皆無だったのに新型コロナウィルスCOVID-19の影響で冷静さを失っていたことで、ある種同じ状況下に陥ったことに恐怖心を抱きます。
今の状況下を振り返った時に、人間愛や冷静さを失わず罪悪感を感じない言動ができているように心がけたいものですね。



ご覧下さりありがとうございました!
See you later!



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